前々回の記事で相続分の譲渡について続きを書きますと言っていたので、今回は続きの記事を書きたいと思います。

前々回の記事の続きですが、いつのまにか相続人になったものの、相続手続に関与したくない、しかし、相続放棄期間は過ぎてしまっているというような場合があると思います。このような場合相続人としてはどのような手段をとれるのでしょうか。

相続分の譲渡・放棄を行い相続手続から離脱する

この場合、相続手続から離れる方法として相続分の譲渡・放棄をするという方法があります。

相続分の譲渡とは、相続人が有する自己の法定相続分を自己または第三者に移転することを言い、相続分の放棄とは、自己の相続分の処分を相続人全体にゆだねることを言います。

両者の違いは、相続分の譲渡をした場合は、特定の相続人の持分が譲渡を受けた分多くなるのに対して、放棄の場合は、各相続人の相続分が放棄された割合に応じて均等に増えるという点にあります。

 

相続分の譲渡・放棄の手続

相続分の譲渡・放棄をするためには、相続分の譲渡または放棄証書というものに署名・捺印(実印)をします。

そして、通常は意思確認のために印鑑証明書を添付することが多いです。

裁判所に提出する場合は、印鑑証明書の添付を要求されることがほとんどでしょう。
相続分の譲渡・放棄をすることによって、晴れて相続手続から排除されます。
なお、相続分の譲渡・放棄は遺産分割調停や遺産分割審判がされていない裁判外の場面でされることもありますが、遺産分割調停等が係属している最中にこれがされることもあります。

特に、当事者が複数おり、相続人がそれぞれの地方に居住しているため全員が集まることが困難な場合に相続分の譲渡・放棄の手続がとられることがよくあります。

遺産分割調停や遺産分割審判がすでに係属している場合には、裁判所に対し、相続分譲渡証書や即時抗告権放棄書及び印鑑証明書を提出します。これらの書類を提出することによって遺産分割調停に出席することは無くなるのですが、正式には、裁判所から排除決定という決定が出されることによって遺産分割調停手続や遺産分割審判からの離脱が可能になります。

以上、簡単ですが相続分の譲渡の説明でした。

相続分の譲渡を含む相続問題についてお悩みの方は無料相談を実施しておりますので、下記お電話番号にて、またはホームページもしくは本ブログのメール相談フォームからお気軽にお問い合わせください。

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