親が亡くなって、葬儀も終わってひと段落した、落ち着いたのでそろそろ相続手続を行うか…と考えて戸籍を確認したところ、知らない間に親と他の者との間で養子縁組がされていた!ということがあります。
そのような場合にどんなことが困るか、また、それについてどのように対策すれば良いかを以下では解説していきます。

なぜ勝手に養子縁組が提出されるのか

まず、このようになぜ勝手に養子縁組届が提出されることがあるのでしょうか。
これについて、一概に説明することはできませんが、その一つの理由としては相続対策があります。
養子縁組をすると、養子と養親との間では法律上の親子関係が発生します。
法律上の親子関係が生じますと、相続の場面において、被相続人の子供は第一順位の法定相続人ですので、養子は被相続人の法定相続人となり、相続権を有することになります。
このようなことから、相続人の一人が自分たちの相続分を増やすために(例えば、被相続人の長男が自分の相続分を増やすために、父親と自分の妻を養子縁組させて相続分を増やす等)、被相続人に無断で養子縁組届を提出する場合があります。
もちろん、通常は養親との間で合意して養子縁組を行った上で養子縁組届出を提出すると思われますが、中には被相続人の意思に反して養子縁組届出が提出される場合もあるのです。

勝手に養子縁組が提出された場合の対策

それでは、勝手に養子縁組届出が提出された場合はどうしたら良いでしょうか
養子縁組届出が勝手に提出された場合は、養子縁組無効確認調停及び養子縁組無効確認訴訟を提起することによって解決を図っていきます。
この養子縁組無効確認訴訟・調停の場合の相手方ですが、自分が養親または養子であり養子縁組の当事者であれば、養子縁組の他方当事者を相手方として養子縁組無効確認調停・訴訟を提起します。
他方で、自分が養子縁組の当事者ではないが、縁組によって不利益をこうむる場合(例えば、被相続人には子も配偶者もないため、兄弟の自分が本来法定相続人になるはずだが、他の親族によって養子縁組がされ、その者が法定相続人になったことにより自分が相続人ではなくなった場合等)は、養子を相手方として上記調停や訴訟を行います。
このように、勝手に養子縁組届が提出された場合は養子縁組無効確認調停・訴訟を提起して問題の解決を図ることになります。

どのような場合に養子縁組は無効となるか

それでは、養子縁組無効確認調停・訴訟ではどのように養子縁組の無効を主張するのでしょうか。
民法802条は以下のように養子縁組の無効事由を規定しています

民法802条 縁組は、次に掲げる場合に限り、無効とする。

①人違いその他の理由によって当事者間に縁組をする意思がないとき

②省略

民法802条が規定しているように、養子縁組の当事者に養子縁組を行う意思がなかった場合は、養子縁組は無効になります。
また、養子縁組の当事者に養子縁組届を提出する意思(届出意思)が無かった場合も、養子縁組は無効になります。
したがって、養子縁組無効確認調停や養子縁組無効確認訴訟においては、これらの縁組意思や届出意思がなかったことを主張していくことになります。
そして、縁組意思が無かったか否かは、縁組に至るまでの経緯当事者の関係性縁組後の経緯縁組当時の養親の認知状態等を考慮して判断されますので、これらの事情を整理して訴訟の場に提出していくことになるでしょう。

終わりに

以上、勝手に養子縁組届が提出された際にどのような手段をとるかについて説明をしました。

養子縁組無効確認訴訟というのは、様々な事情を効果的に主張して初めて養子縁組の無効という結論を導くことができますので、本人訴訟・本人調停ではなく、代理人を頼んだ方が良い結果になると言えます。

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