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さて以前、相続開始時の注意点という記事を書きました。
この記事においては相続開始時において、①単純承認②限定承認③相続放棄という3つの法律上の制度を選択する必要があると述べたところでした。
ところで①の単純承認及び③の相続放棄については、割とよく使う手続であって、これらの情報について検索をすると制度の説明がたくさん出てきます。
ところが、②の限定承認の手続というのはあまり使われていないこともあって、情報も少ないんですね。
そこで、今回は情報が少ない②限定承認の記事を書いてみたいと思います。
まず、②限定承認とはどのような手続なのでしょうか。
限定承認とは
②限定承認とは、簡単に言えば、相続した負債を、相続した財産の範囲に限定して責任を負うという相続の方式です。つまり、相続人は相続した財産以外から負債に対して責任を負うことはありません。
例えば、1500万円の遺産が有り、1000万円の借金があった場合、1500万円の遺産の範囲で借金を負い、相続人の固有の財産から1000万円の借金を支払う必要はありません。
それだけ聞くと、限定承認という手続はとても魅力的な手続にも思えますが、実際この手続を選択することは少ないです。それはなぜでしょうか。
限定承認があまり使われない理由
限定承認の参考となる文献が少ない
一つは、限定承認に関する専門的な書籍が少ないということがあります。私自身も、限定承認の手続を選択した際に参考となる書籍が見つからず、苦労した記憶があります。
なお、限定承認を行う上で大変参考になった書籍としては、
下記の書籍と、
下記の書籍ですね。
この2冊は限定承認の手続を行う上で非常に参考になりました。
限定承認を選択するにあたり、上記2冊は参照しておくべきと思われます。
上記2冊以外になかなか参考になる書籍が見つからなかったです。
限定承認の手続は単純承認等と比べ複雑な面もある
次に、限定承認が選択されづらいと考えられる理由の2つ目は、限定承認が破産手続と類似する複雑な制度であるため一般の方では手続を進めていくことが難しいという点にあると思います。
限定承認を選択した場合、限定承認の家庭裁判所への申述、公告(官報という国の新聞みたいなものに載せる手続)、催告といった各手続を行うのでなかなか複雑です。これらの手続を経た上で財産を換価、配当する必要があり破産手続と似ているのですが、これらの手続を一般の方が単独で行うことは難しいでしょう。
したがって、限定承認を選択する人が少ないのだと思います。他にもいろいろあるのですが、今回はここまでにしておきます。
終わりに
被相続人に債務がいくらあったかはわからないが、相続放棄まではしたくないという時や、被相続人に借金があるので単純承認をしたくはないが、遺産の中でどうしても欲しい特定の財産がある場合等に限定承認を使うとうまくいくケースもあります。
このような場合は限定承認を扱ったことのある弁護士に相談されると良い結果になることもあります。
悩んだらお気軽に相談されることをおすすめいたします。
追記
限定相続の実務については、下記のとおり新版が出たようです。
限定承認について解説をした数少ない書籍ですので、手元に置いて損はないと思います。
限定承認を含む相続問題についてお悩みの方は弁護士による無料相談を実施しておりますので、下記お電話番号にて、またはホームページもしくは本ブログのメール相談フォームからお気軽にお問い合わせください。