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本日は、「自己に不利な内容の遺言が発見された場合の争い方」との記事を作成します。

家族が亡くなり遺言書が見つかったが、その遺言書の内容が自分に不利なものであったという事例は相続事件ではよくあります。

遺言書の内容が自分にとって不利であったとしても、それが納得できるものであれば、遺言者の意思にしたがうのも一つの手です。

しかし、不利な内容の遺言書が自分にとって納得できないこともあるはずです。

そのような場合、不利な内容の遺言書を残された相続人が争う方法は、二つあります。

それは、①遺留分減殺請求②遺言無効確認の訴えによる方法です。以下では、それぞれの方法について解説をしていきます。

 

① 遺留分減殺請求による争い方

まず、遺留分とは、遺言や生前贈与によっても侵害されない最低限度の相続人の持分のことを言います。

この遺留分という最低限の保証が兄弟以外の相続人にはあり、具体的には、相続人が被相続人の親だけの場合を除き、遺産全体の2分の1が遺留分となっています。

この遺産に対する2分の1の割合ですが、遺言による利益を受けた相続人を含む相続人全員でこの2分の1の割合を分けるというルールがあるため、2分の1に自分の法定相続割合をかけて個々の相続人の遺留分割合を算出します。

例えば、相続人が子供2人のみで、「長男に遺産をすべて相続させる。」という遺言書がある場合、次男の遺留分割合は、遺産に対する2分の1に自己の法定相続割合の2分の1をかけた4分の1になります。

簡単に言うと、この遺産のうち4分の1の割合を自分に渡せというのが遺留分減殺請求になります。

なお、遺留分減殺請求は、相続および遺留分の侵害を知った時から1年以内に行使しないと時効により権利行使ができなくなってしまうので注意が必要です。

② 遺言無効確認の訴えによる争い方

①の遺留分減殺請求が、遺言書が有効であることを前提に他の相続人に対して請求をするのに対し、②遺言無効確認の訴えは、遺言書が無効なものであるとして争う方法になります。

この遺言無効確認の訴えですが、大きく分けて2つ争い方があります。

自筆性を問題として遺言の効力を争う方法

一つは、自筆性を問題とする方法、すなわち、遺言者以外の他の誰かが作成した遺言書であるという争い方です。

自筆証書遺言といってすべて手書きで書いた遺言書の場合に問題となりますが、たとえば、遺言書の筆跡が遺言者のものと全然違ったり、本人が字が書けない状態の時期に作成された等の理由から、本人が作成したものではないとして争う方法です。

遺言能力を問題として遺言の効力を争う方法

もう一つは、本人の字ではあるが、遺言書の作成時期において遺言者は重度の認知症にかかっており、遺言書をかける認知状態ではなかったとして争う方法です。いわゆる遺言能力がなかったとして遺言の効力が争われます。

この遺言能力が争われるのは、自筆証書遺言だけではなく、公正証書遺言といって公証役場で作成された遺言書の効力を争う場合もこの論点が出てくることがあります。

 

終わりに

以上、「自己に不利な内容の遺言が発見された場合の争い方」の記事を作成しました。

遺言書は紛争の発生を防止するためのツールなのですから、遺言書作成後に紛争が発生するのは望ましくないですね。

紛争の発生が生じない遺言書を作れるかどうかが、遺言書の作成に関与した弁護士の腕の見せ所の一つということができます。

この点からも遺言書作成にあたっては、弁護士等の専門家に相談したほうが良いと言えます。

遺言無効及び遺留分減殺請求についてお悩みの方は弁護士による無料相談を実施しておりますので、下記お電話番号にて、またはホームページもしくは本ブログのメール相談フォームからお気軽にお問い合わせください。

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